くるき亭のオリジナル腕時計に使われている「いいにおいがする革」
この天然素材100%の革がどのように生まれているのか、くるき亭が革の製造をお願いしている革工場の見学の模様をご紹介します。
それでは早速、「皮」が「革」になっていくまでの工程を順に追っていきたいと思います。
最初、皮は上記のような状態で工場に運ばれます。
まだ毛皮もついていますので、皆様ご存じの牛の模様をしているのがお分かり頂けると思います。
そして、この皮の汚れを落とすために、24時間の間、ドラムの中で、グルグル回しながら、やさしく洗っていきます。
次に、洗った皮の毛を抜くなどの下処理に入ります。
たくさんの水槽(ビット槽)があり、皮は濃度や種類の違う自然のモノから作った乳液の中を、いくつも渡り歩いていきます。
そして、渡り歩いていく中で、ゆっくりと毛が取り除かれ、脂肪が分解されていきます。
水槽には薄い液から濃い液へと濃度の違う乳液が入れられています。
皮は、薄い液から濃い液へと、ゆらゆらと気持ちよさそうに、数日かけて渡り歩きながら、皮から革へと変わる準備を整えていきます。
他の革工場の中には、薬を使って、脱毛を早く終わらせるところもあるそうです。
しかし、この革工場では、このようにビット槽の中を皮が渡り歩く中で、じっくりと数日かけて下処理を行うため、
皮を傷めずに脱毛、脂肪除去を行うことができるだけでなく、コラーゲン繊維をほぐし、皮をふっくらとすることが出来ます。
時間や手間がかかりますが、これも「革」となったときの出来栄えに大きく差がつく要因となります。
下処理された皮は、手作業で職人さんが下仕上げをした後、しっかりと鞣し(なめし)を行うために、皮の酸性度を調節するなどの最後の下処理を行います。
工場見学を行った我々 くるき亭のスタッフは、ここまででもう、かなり疲れてしまいましたが、ここでようやく下処理が完了し、いよいよ、なめし工程に入ることになります。
下処理を終えた皮は、いよいよ鞣しに入ります。
一口にタンニンなめし、その中でも100%タンニンなめしと言っても、その浸透のさせ方や製法、濃度など、色々な種類があります。
この革工場では、上の画像のようなビット槽の中に、
順次、ゆっくりとつけ込んでいくことで、じっくりと、ゆっくりと浸透させる手法をとっています。
このように、向こう側が見えないほど、多くのビット槽が並んでいます。
そして、このビット槽はそれぞれ濃度が異なっていて、皮は薄い濃度のビット槽から濃い濃度のビット槽まで、
約20日間ほどかけて、タンニンを浸透させていきます。
近づいてみると、それぞれのビット槽には、皮たちが気持ちよさそうに、まるで有馬温泉に浸かっているようです。
薬品を使って鞣す、タンニンなめしでもドラムの中でグルグル回して鞣すこともできます。
しかし、このような手法で、皮たちがまるで温泉に入っているかのように、自由に、ゆったりと、じっくりと、鞣しあげられているからこそ、このような上質の革が生まれていくのだなあ・・・と、くるき亭スタッフ一同、延々と続くビット槽を前にして、強く感動しておりました。
さて、20日ほど経って、なめしあがった皮は、「革の用途」や「求める柔らかさ」などにより、
もう一度、違うビット槽につけたりなどの処理が行われます。
そして、その後、通常は、もう一度、洗浄を行うこととなります。
洗浄された皮は一度、品質検査にかけられます。
鞣しあげられた皮をみると、様々な傷がついています。
当然のことながら、生きていた以上、傷がない、しわがない牛はいないのですが、生前、暴れん坊だった牛などは傷がいっぱいついていて、とても作品には使えません。
非常に残念ですが、こういった皮は、この時点で他の用途にするため、撥ねられてしまいます。
いよいよ、鞣しが終わり、「革」になるまであと少しの工程です。
ここまでで、1ヶ月以上かかりました。
大事に大事につくられている革なのだなと、革がピカピカに見えてきます。
次は革にオイルを入れていきます。
このオイル入れは、革にやわらかさと、ツヤを与えるもので、あくまで下地の仕上げです。
もちろん、このオイルも、天然のモノ、お魚オイルです。
「魚のオイル」と聞いて、「生臭いのかな?」と思ったのですが、そんなことは一切なく、香ばしいようないい匂いがしました。
このオイルを入れて、革をドラムで回していきます。
出来上がったら、手作業で、そして、様々な機械で、皮をのばして、厚さを均等にしていきます。
ここまで来たら、あとは乾燥です。
この工場ではなんと、自然乾燥で、革(もう革と呼んでもいい頃です)を乾燥させていきます。
およそ10日間、乾燥させます。
ここまでで、革の下ごしらえは完了です。
今までで、約1ヶ月+15日ほど掛かっています。
あとは様々な仕上げ工程となります。
ここからの革は、素材の用途や、仕上がり具合などにより、工程が様々に異なってきます。
くるき亭で使用している革も、ここから先、用途によって、様々な加工を行っております。
しかし、ここでは一般的な革がたどる、この後の工程を追っていきましょう。
さらに微調整するために、手伸ばしで、職人さんが伸ばしを行います。
もう毛がないはずなのに、職人さんが革をこする度に、革の毛並みが一定方向にサアーと向いていきます。
ここでさらに乾燥です。
革の厚さによって異なりますが、一週間程度、自然乾燥させます。
革に柔軟性を与える加工を行った後に、塗装を行います。
様々な色に革が染められていきます。
その後は、アイロン等の仕上げ処理を行い、完成となります。
ここまでの所要時間は約2ヶ月。
通常の革でこのくらいですから、様々な処理を行えばもっと長くなります。
この工場では、生産する革はすべてオーダーメイドでの生産ということですので、おそらく更に様々な工程をこの中に付け加えることになるのでしょう。
くるき亭でも、これに洗いなどのいくつかの工程を追加し、塗装などのいくつかの工程を抜くなどして製作して頂いています。
以上で工場見学は終了となります。
くるき亭でも、この革工場さんが作り出す素晴らしい革をしっかりと受け継ぎ、素敵な作品を作り、お客様にご紹介したいと考えております。
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