くるき亭公式サイト

くるき亭
公式サイト

MENU三

ネットで販売中の商品を選ぶ:
 くるき亭公式オンラインストアへ
 os_screenshot

製品について詳しく知る:
腕時計
懐中時計・時計小物
 時計ができるまで
 ギフトにもオススメ
 時計のアレンジ

「アニマルs:動物型の腕時計」シリーズ

「アニマルs:動物型の腕時計」シリーズ

あんぐり開けた口から時間が見える、特徴的な動物型の腕時計のシリーズです。
その愛らしい外見からは想像できない、制作に非常に苦労させられた時計達で、とにかく作り直しが多く、パーツ製作に入ってからでも1年半以上かかったような思い出があります・・・。

Planning :この時計の着想・企画・構想

さほど珍しくない動物型の時計をあえて作ったのは・・・

animal_planning

「動物の腕時計」というと、さほど珍しくないと思うのですが、多いのは、「動物の絵が文字盤に書いてある」というタイプや、本体が変わっていても単純に「時計本体に耳がついている」というようなタイプかな・・・と思います。

ということから、「上のようなタイプではなく」、「大人もできるような」という条件で「動物の腕時計」は考えていて、「口の中が時計」というように、ラフ絵もある程度できていたのですが、制作に入るには時間がかかりました。

考えてみれば、「文字盤に動物の絵」とか「時計本体に耳をつける」というような時計は、割合、カンタンですし、費用も安くできます。
お買上げ頂く人も、動物だと、お子様が多かったりしますので、複雑だと壊しやすいですし、お値段も安い方がいいのだと思います。

しかし、目指すのは、「動物の特徴がある」のではなく「ちゃんと動物である」ということと、「大人もつけられる(現実にはどうであれ)」というような時計でした。

小さいわりには、形状が複雑で、しかも一つのパーツだけではなくて、すべてのパーツが複雑であるため、ラフデザインから費用を計算してみると、かなりお値段が高くなりそうでした。

そんなこんなで、制作には至らず、長らく放置の状態が続きましたが、何人かのお客さんから「普通の時計じゃなくて、くるき亭の時計をつけていると、会話が盛り上がる」とか「ショップで働いているのだけど、やっぱり、こういった変わった時計の方が逆に有利」「普通の時計じゃ、今はつける意味がないですよ」という声を頂いて、「動物たちにもチャンスが来たかもしれない」と思ったのと、

「人工惑星nico」を作った後の「結果は考えないで好きなものを作ろう」という流れの中で、「どうしても次はこれを作りたい」という感じが醸成されていっていました。

Rough design :時計のラフデザイン

通常の生活の中の、普通の表情をした動物を

動物型の腕時計:ラフデザイン

しかし、こういった時計の制作は勇気がいります。
そこで、「本当に作るかどうか、まずはラフを描いてみよう」ラフデザインに入ります。
フワっと描いてあるデザイン画をある程度、制作の可否を検討できるようになるまで、細かく詰めていきます。

最初の案では、「ネコ」「犬」「うさぎ」「クマ」「ひつじ」「カエル」のデザインがありました。
それぞれキャラクター設定がしてあって、例えば、犬なら「困っている」とか、「うさぎ」なら「ボーっとしている」というように性格が決まっていました。
それらに沿って、ラフデザインをしていきました。

また、「動物の時計」とか「動物グッズ」というと、デフォルメしてあって「すごく可愛い」モノか、その逆の「リアル」なモノに大きく分かれます。

「アニマルs」では、そのどちらでもない、「通常の表情(生活の中の表情)」を目指しました。
周りに何かをアピールもしていないし、脅してもいないし、媚を売ってもいない・・・、「ただ、生きているだけ」という中での表情にしました。

動物の種類は「猫」「犬」「うさぎ」に

動物型の腕時計:ラフデザイン

そして、ラフデザインをして、「どの動物を作るか?」を検討したところ、最初は「ネコ」「犬」「うさぎ」に決定しました。

それぞれの動物で気をつけたところは、

ネコ:
はじめにデザインしたのは、ネコでした。大口を開いて、罠を張り、ネズミを待ち構え、ついに入った、ふふふ・・・というところです。特に目の表情にこだわりました。

犬:
柴犬をベースにしましたが、ラフにしてみると、ネコとあまり区別がつかず、苦労しました。虫歯に困っている設定で、口の中は、バイキンが居座って寛いでしまっていることにしました。

うさぎ:
ボーっとしている設定なので、口に入れたニンジンを子うさぎに取られそうになっている・・・という設定にしました。

というようなところだったと、思い出せる範囲では記憶しています。

Design :時計のデザイン・設計

顔だけのデザインから「カラダ付き」に変更

animal_design_watch

実はラフデザインの段階では、「顔だけ」の時計でした。

しかし、ラフデザインからデザインに移り、詳細に設計してみると、「顔だけ」バージョンだと、「顔が大きくなる」ので、少し「かわいすぎる」感じになってしまうことが分かりました。
また、「顔だけ」バージョンは、よくあるデザインでもあったので、デザイン面と設計面の両面から、「カラダをつける」ということに変更しました。
ここまで決まったら、各部を詳細にデザインしていくことになります。

時計本体:顔
ネコ、犬、うさぎの3つをそれぞれ作るのですが、3つとも、「口の中央に時計」という配置です。
でも、「口の中央」は、「顔の中央」ではありません。
顔の上部は、耳やおでこがあるので、時計の中の機械や部品が入るのですが、顔の下部にスペースが足りなくなってしまうため、その部分にスペースを足すと、「顔が大きくなってしまう」のです。
ということで、カラダを足すことで、そのスペースを作ることにしました。
つまり、時計の内部の部品は「身体部分にはみ出している」設計となっています。
こうすることで、「顔の大きさ」を守りきることができました。

レンズと牙
やはり、どうしてもキバは入れたかった。キバをなくしてはいけません。
レンズの後ろにするか、前にするか?で時計の高さの設定は変わるし、難易度も、組み立ての方法も変わるので、迷ったのですが、結局、実物に忠実にしました。
こっちの方が大変なのですが、どうせやるなら・・・という精神でやりました。

裏側もちゃんとしています

動物型の腕時計の裏側

時計本体:胴体
胴体部分をつけることになりましたが、「じゃあ、カラダをつけよう」と簡単につけるという訳にはいきません。
それぞれのキャラクターの設定から、胴体もデザインし直しました。
ご覧になるとお分かりの通り、「動物ごとに動きが違う」「カラダのフォルム(体型や太り具合等)が違う」と思います。
「体の線」も絶妙(私たちからすれば)にできました。「性格がよく出ているな・・・」と思っています。
また、「後ろから見たら、真っ平ら」というようなデザインは、「なんだ・・・、後ろは普通なんだ・・・」と冷めてしまうと思うので、裏側もデザインしました。

時計本体:耳
「後ろから見たら、耳が真っ平らだった」という時のがっかり感は耳にも当てはまります。
だから、裏蓋のカーブとの整合性を取りながら、角度調整をして、ふっくらさせました。
耳もふっくらしていた方がかわいらしいし、実物はふっくらしていますから・・・。

裏蓋
「裏蓋」=「頭の後ろ」ですので、一番ラクな設計である「真っ平ら」はダメでした。
やっぱり、顔の正面と同じように、後ろもふくらんでいないと、かわいくないです。
同じようにふっくらさせた「耳」と「裏蓋」のカーブを合わせたり、ネジ穴の設置位置や内部のパーツの高さ調整など、なかなか手強く、大変でした・・・。

見えないところもやりました

animal_design

うさぎの時計本体にくっついている「子うさぎ」
「うさぎ」の子うさぎも、ちゃんとデザインしています。
正直、お客さんからは見えないのですが、何となく、やってみました。
私たちが時計を組み立てる時には見えるので、左の写真に設計図と実物の写真を載せてみました。

文字盤の内部も

動物型の腕時計:デザイン

文字盤
上の子うさぎと同じように、犬のバイキンや、ネコのネズミ、うさぎのニンジンなども、ちゃんとデザインしなくてはいけません。
モノづくりをされる方は同意して頂けると思いますし、当たり前のことなのですが、作る時には「何となく作る」というのはできないんですよね。
別に「こだわり」というのではなく、単純に「寸法がないと作れない」という意味です。
まあ、どうせ細かくやるなら「こだわってみよう」となります。
こういったかわいらしいモノを大真面目にデザインしていると力が抜けそうになりますが、大事なことです。
他人に任せると、「この場合のニンジンって、そうじゃないでしょ!」と必ずなりますから、デザインした人が自分でやらないといけません。

Parts Making :時計のパーツ・部品の制作

難航したパーツ製作:これだけで1年半くらい掛かってしまいました

animal_parts-making

いよいよ隅々まで、デザインが決まったら、それを元にして、パーツを作っていかなくてはいけません。
しかし、この「アニマルs」は、ここから1年半くらい掛かったと思います。

「細かい箇所があるから、折れてしまうかもしれない」とか「内部の高さが足りなくて、時計が狂ってしまう・・・」とか、そういった問題は毎回のことなので、もはや、私たちもあまり引っかからなくなっています。
こんなに長く引っかかったのは、この時計特有の問題でした。

まず、問題になったのは「表情」です。
正方形や長方形、丸型など、普通の時計には、あまり「表情」というものがありません。
しかし、「動物」には当然「表情」がありますし、表情は線一つで変わってしまいます。

金属を加工して作るので、なかなかこの表情がうまくいきませんでした。
目が少し離れていたり、寄っていたり、鼻の位置が違っていたり・・・、「これは・・・、違うヤツだな」という、別人が生まれてしまうケース。
そこまでいかなくても、線がちょっと違っていただけで、「キリッと2枚目」になったり「いやらしい表情」になったり「可愛すぎる」ようになったりして、なかなか「生活の中の表情」になりませんでした。

「絵にある、そのままを作ればいい」と分かっているものの、作ってはやり直し、作ってはやり直し・・・を繰り返しました。

次に、同じことではありますが、「カラダのフォルム」が問題になりました。

こちらも太り過ぎたり、痩せ過ぎたり、マッチョになったり・・・、「表情」と同じ部品なので、「表情がよくても、体型がおかしい!」とか、その逆とか、色々起きました。
しかも3種類もいます。

今さらやめるわけにもいかず、犬、ネコ、うさぎの3種類すべてでこの格闘をしながら、パーツを仕上げていきました。

結局、このパーツ制作だけで、1年半くらい掛かったので、もう「デザインしたのは、はるか昔」という感じになって、作っている時計自体が「可愛い」だけに、やりきれない気持ちをどこにぶつけたらいいか・・・というような気持ちでした。

うまくいかなかったパーツを見て、そのあどけない表情に向かって「お前は一体どうしたいんだ」と語りかけながら頑張った思い出があります。

Assembling :時計の組み立て

「アニマルs:動物型の腕時計」の誕生

animal_assemble

やっとパーツが揃い、時計として組み上がった時は、そのなんともいえない表情の3体を見て、「ふふふ」となりました。
販売としては不安がありましたが、思い通りにできたと思います。

Release :発売〜今まで

「かわいらしい時計」や「小さい時計」は、どうしてもお客さんからは「安そう」と思われてしまいがちです。

この「アニマルs」は、その複雑さと苦労、コストに関わらず、小さめで、かわいらしい時計なので、お客さんからは「安いんでしょ?」と思われる反面、私たちからは「かなりお値段を上げないと困る」ということになります。

とてもお値段に困りましたが、「目指していたものができた」という達成感もあったので、私たちにとっては、頑張って、もうギリギリのところのお値段にしました。
まあ、それでも「高い」と言われるのですけれども・・・。

動物たちは、「映画」に、「雑誌」に、大活躍

さて、発売後は、活躍してくれました。
思っていたよりも、ずっと販売面でも頑張ってくれました。

また、雑誌などにも取り上げて頂きましたし、なんと「三毛猫」が映画にも出演し(使用され)ました。

そんなわけで、しばらくして「クマ」と「ヒツジ」も追加され、今に至ります。
※ 「ヒツジ」は2018年に姿を消しました。

「アニマルs:動物型の腕時計」シリーズをオンラインストアで見る デザイン帳に戻る