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「Flower Hair Girl:髪の毛が植物に侵食されている女の子の腕時計」の開発ストーリー:デザイン帳

「flower hair girl」シリーズ

くるき亭がはじまる以前からずっと存在していたキャラクター「flower hair girl」
様々な生き物の境界があやふやな世界で、髪の毛が植物に侵食されてしまった女の子のキャラクター。その女の子の腕時計をコンセプトにしたのが、この時計です。

Planning :この時計の着想・企画・構想

くるき亭がはじまる前から

flowerhairgirl_illustration

くるき亭がはじまる以前からずっと存在していたキャラクター「flower hair girl」
様々な生き物の境界があやふやな世界で、髪の毛が植物に侵食されてしまった女の子のキャラクターです。

くるき亭のデザイナーの一人が子供の頃からずっと描き続けてきたキャラクターで、くるき亭がTシャツを作ったりしたときにも度々、登場していて、くるき亭を古くからご存知の方は「ああ、あれか」と思って頂けたかもしれません。

しかし、そんな以前から存在していたにも関わらず、このflowerhairgirlの腕時計が出たのは、かなり後になってからでした。

時計をデザインする時の色々なアプローチ

flowerhairgirl_approach

時計を作る時には色々なアプローチがあります。
「こういうカタチの時計があったら面白いかな?」というように、「時計のカタチを思いついた」のが先である場合。
「こういうことが出来るようになったから、これを利用して、時計を作ってみたい」というように、「やりたいこと・技術」が先にある場合。

このような場合でも、くるき亭では「コンセプト」や「テーマ」を決めて、時計のデザインをします。
そうしないと、「何かをちょっと変えただけ」というようなデザインばかりになってしまうからです。

さて、時計を作り続けていると、実現できることが増えてきて、そういう「テーマ」や「コンセプト」もより高度に、より詳細につめることが増えてきました。

つまり、今までは「○○風」「○○のような」というような曖昧なテーマだったものが、「こういう時にこういう人が着けている時計」とか「こういう世界の時計」というように具体的になっていき、ついには「物語を作る」というところまで行っていました。

そして、新たなアプローチとして、「物語から時計を作る」というようなアプローチも増えてきました。

そうすると、今まで別のものと考えていた「キャラクター」と「時計作り」が重なってきました。

flower hair girlの時計がなかなか出なかった理由

「物語から時計を作る」というアプローチが少しずつ増えてくると、「そういえば、このキャラクター(flowerhairgirl)の時計も作れるかな?」ということになりました。

しかし、こういう場合、つまり、「物語から時計を作る」という場合に一番イヤなことは、「この物語の時計です」と言っておきながら、「そうは見えない」ということです。

flowerhairgirlの場合、「淡い・幻想的な雰囲気」「生き物の境界が曖昧という世界観を入れる」「小さめの時計」というような要件があって、その時の私たちには「そうは見えない時計」になってしまいそうでした。

また、私たちにいくら思い入れがあっても、お客さんはこのキャラクターを知らず、何の思い入れもないはずですので、「時計単体で見ても素敵であること」を目指すと同時に、こういう特に個性的な時計はあまり販売面ではよくないことが多いため、むしろ「販売がダメかもしれないなら、とことんやりたい」という面もありました。

これらのどれもが中々揃わなくて、この時計の制作は保留になっていました。
手作り手作りしているのも嫌だったことや、色の実現が難しかったり・・・等々、要するに、「作るのが難しい時計」だったのです。

できることが揃ったことをキッカケに

その後も保留のまま時が過ぎていき、「あれっ、この時計、もう作れるのでは?」という段階がいつの間にか来ました。

そこで、改めて、ひとつひとつのデザインの要素について、出来るかできないかを検討してみたところ、「あれっ、出来そうだね」ということになり、制作が決定しました。

Rough design :時計のラフデザイン

物語の世界観をそのまま

flowerhairgirl_illustration

「様々な生き物の境界があやふやな世界」+「キャラクターの女の子がつけている」という2つを兼ね備え、自分たちも含め、見てくれた方が「ああ、まあ、確かに」というようなデザインにしなくてはいけないと思いました。

時計自体のコンセプトとしては、「元々はかわいいデザインの普通の時計だった」けれども、「植物などに侵食されていっている」ということにしました。

時計だけを見ても素敵な時計に

flowerhairgirl_rough

「世界観」を再現すると同時に、「世界観を全く知らない人」「時計だけを見た人」が時計単体を見ても、「いいね」と言って頂ける時計も目指しました。

個性的な腕時計でも、着けていてもさほど奇抜ではなく、キャラクターのflower hair girlだけでなく、普通の人も着けられる時計となることを目指しました。

Design :時計のデザイン・設計

時計本体:色々な命に侵食されていっている時計

flowerhairgirl_watchcase

時計の本体
時計本体は、普通の時計が色々な生命に侵食されてしまっているデザインです。
雲・ちょうちょ・キノコの家・太陽・若葉等々、「元々の時計のデザインと、後から侵食されてしまっている部分が合わさっています」というテーマにしています。

設計も「円」とか「規則的な模様」という場合は、簡単なのですが、この時計の場合は、「ひとつひとつ模様が違う」ため、それぞれの模様ごとに設計が必要になりました。

絵だけ見ると簡単そうかもしれませんが、「高さ」「角の丸まり方:R」「大きさ」等など、意外と細かいところで、雰囲気に差がつくので、頑張りました。

リューズの部分の若葉などはとっても気に入っています。
この部分は直接リューズがむき出しにならないようにリューズ保護のためでもあり、一石二鳥のデザインです。

時計本体:少し幻想的な雰囲気のカラー

flowerhairgirl_color

幻想的な雰囲気のカラーリング
時計に限らず、身の回りにあるモノは、のっぺりと塗る、金属のような仕上げ・・・などが一般的です。

やっぱり、「色」というのは難しくて、普通のメーカーさんは、小売店さんを通して販売していることが多いこともあって、「どの部分も均一な塗り」「よく知られている色(お客さんが想像できる色)」等など、要するに「クレームを受けづらいようなカラーリング」になっていることが多いようです。

販売する小売店さんとしても「色が違う」と毎回言われる商品よりは「常に一定の色」という方が販売しやすいですし、「この商品は一定で、この商品はひとつひとつ違う」というように混在していると販売しづらいかもしれません。

ということで「幻想的」という色は、「色ムラがある色」ということになりますので、「危険な色」とも言えます。
ただ、くるき亭の場合は、直営で販売していますし、すべて「ひとつひとつ違う」商品となりますので、この点は頑張れそうです。

ただ、単純に「実現するのが難しい」という面もあります。
「ムラ」を出すということは、「どの辺りからどの辺りまでどの濃さで・・・」というようなことも指定しなくてはいけませんし、「こういう手順でこういうふうに塗る」というような同じ色を生み出せる手順も考え出す必要もありますね。

というような問題点を考えながら、このカラーを実現していきました。

色々と試した結果、「下地の塗装を行って、あとは手塗りで塗り分け、そして、仕上げ加工を行う」ということになりました。

とっても素敵な色になったのではないかと思っています。

雫をイメージしたレンズ

flowerhairgirl_renzu

「雫」と書いたのですが、実際は「境界があいまいになり、レンズ部分は、雫のようになってしまった」というデザインです。

つまり、「flower hair girl」の世界に、普通の時計が入ったら、レンズが雫のようになり、今にも落ちそうな感じになっていった・・・というイメージです。

実際の制作ですが、通常、「時計本体に合わせてレンズを作る」ということが多いのですが、この時計はカーブの大きさが決まっていて、それを実現する最低限の大きさ、つまり、このくらいの角度のレンズを作るのにギリギリの小ささにするため、「レンズの大きさが先に決まっていて、本体をレンズの大きさに合わせて作る」という、普段とは逆の工程になりましたので、難しかったです。

文字盤

flowerhairgirl_dial

こちらも時計本体と同じく、「侵食されてしまっている」デザインです。

ひとつひとつの数字もそんなデザインで手描きで描いています。

細かい部分も手描き×立体金属加工×手塗りという感じで実現していて、さらに2枚の文字盤を重ねて作っています。

2枚作りますので、作る手間が2倍になるのは当然なのですが、時計の問題として「高さ」の問題が出てきます。
要するに「高さがありすぎると、時計の針が乗らなくなる」、もしくは「レンズにあたって、時計が狂ってしまう」ということですけれども、その辺りの調整も必要でした。

ツタがからみついたような本革ベルト

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これも同じで、普通のステッチを入れた革ベルトも「flower hair girl」の世界に入ったらステッチがねじれてツタのように絡んできそう・・・というイメージでデザインしました。

手縫いでひと針ひと針縫っていますので、こんな雰囲気になるのですが、これも作るのはちょっと大変です。

着せ替えベルトに対応した裏蓋

flowerhairgirl_backlid

急に現実的な話になってしまいますが、ベルト交換が簡単にできたほうがいいかなと思いますので、着せ替えベルトに対応できる構造にしました。

裏蓋をベルトが通ることになるのですが、裏蓋にはワンポイントで若葉がついています。
腕に当たる部分はまだ侵食がゆるやか・・・という感じです。

Release :発売〜今まで

すべてを振り絞った、とっても満足のいく時計ができました。

flowerhairgirl_release

よく出来たと思います。
このキャラクターが本当にしてそうな腕時計だと思いますし、普通の時計として見ても「かわいい」と思います。

小さめの時計ですし、離れてみると割合と普通の時計に見えるのに、近くでみると、個性的で世界観のある腕時計になっている・・・という当初の目的も実現できたと思います。

ただ、やっぱり、すごく大変でした。
振り返ってみれば、その外見からはあまり想像できないかもしれませんが、すべてのパーツ、それぞれ全てに、その当時に出来ることを詰め込んだような時計となりました。

販売時には、本当は「キャラクターの絵は出さないようして、時計の写真だけにしようか?」というような予定もあったのですが、恐る恐るコンセプト絵を出してみたら、評判も良くて、「ああ、よかった・・・」と安心したという思い出があります。

お客さんからの評判や反響

flowerhairgirl_customer

「このフラワーヘアーガールが一番好き」と、代表として挙げてくれる人もいて、販売面はこの時計よりもいい時計はいくつもあるのですが、くるき亭の代表作品の一つになったと思います。

取材の方も「flower hair girlの写真を」ということもあったりして、「作った甲斐があった・・・」と思っています。

また、古くからのキャラクターに腕時計を作ってやれてよかったなとも思います。

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