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relick

「relick:遺物を探し、旅に出る、そんな考古学者をモチーフにした腕時計」シリーズ

遺物を探し、旅に出る、そんな考古学者をモチーフにした腕時計・・・というテーマですが、制作の数年前から「こういうのを作りたい」とあたためていた時計でもありました。
作った時は「やっとこれを作った」という感じで、高さの調節に苦労しましたものの、最後には「絵がそのまま出来上がってきた」と感じるほど会心の出来の時計でした。

Planning :この時計の着想・企画・構想

構想から制作まで時間が掛かった時計の一つ

relick_plan

ドキュメンタリーや映画、テーマパークなどで時々見かけるような「木の上の小屋の研究拠点」のような場所、これがこの時計の端緒です。

それまでにあった、くるき亭の時計を見渡しても、classicaシリーズではちょっとおとなしすぎますし、アンティーク過ぎます。
でも、Pairoではちょっと博士過ぎる・・・。
Hushなどではちょっとワイルド過ぎる・・・。

ワイルドさと知的さを兼ね備えた、「探検をする教授」というようなイメージの時計を作りたいな・・・と思っていて、デザインしたのが、この時計です。

ただ、スケッチは出来たものの、制作までには時間がかかりました。
思い入れが深かったため、「出来る範囲で作ろう」というよりは、「完全に再現できるまで作らない」と決めていたことも理由の一つでした。

例えば、この時計の条件として、「文字盤を多段立体にする」「細かい紋様の文字盤」という文字盤、「アンティークと塗装以外の時計本体」「フラットレンズの採用+立体文字盤」、「大きいリューズ」というような条件があり、それがなかなか揃わず、「将来つくる時計」のリストの中に長く留まっていた時計でした。

個々の技術については、どれもやったことがありました。
例えば、「en」という時計がありましたが、その時計は立体文字盤で、人気もあったのですが、ちょっと立体部分の高さの差が高すぎて、この時計にはその手法は合わない・・・というような感じで、様々な微妙な技術の組み合わせがうまくいかないことが重なって作れていませんでした。

Rough design :時計のラフデザイン

だんだん濃くなっていくラフデザイン

relick ラフデザイン

最初のデザインから制作まで時間があったので、「気がついたら、書き足す」「また、思いついたら、書き足す」というような感じになり、段々とラフデザインの絵が濃くなっていく・・・というような風になっていきました。

そんな中、段々と技術のパーツが揃っていき、後述しますが、色もピッタリの色を見つけることができて、「これは、できそうだな」ということになりました。
この時には、もうラフはかなり細かいところまで出来ていたので、「よし、すぐにやろう!」と、すぐに詳細の設計に取り掛かりました。

Design :時計のデザイン・設計

細かいラフがあったのに、意外とデザインが大変だったrelick

relick dial

さて、ラフデザインからデザインにしていくのですが、ラフの段階では「なんとなく」の部分である、例えば、「文字盤の立体は何ミリにするのか?」というような具体的な設計をしていくことになります。
ラフの段階で、かなり細かく描いていても、やっぱり、実物を設計するとなると、足りないところがどうしても出てくるものなのです。

例えば、文字盤ひとつを取ってみても、「ここが一番高くて」ではダメで「ここは○ミリ高くして、こっちは○ミリ・・・」「○ミリだと、あまり立体的に見えない」「でも、これ以上、高さを上げると、時計として動かない・・・」というようにやっていかなくてはいけません。
ラフの段階では「これは詳細デザインをしなくても、このまま作れるんじゃない?」と思っても、「あれ、これだと動かないじゃないか・・・」というようなことがよく起きます。

そんな詳細の設計にあたり、この「relick」は、特に「高さの調節」が大変でした。

relickには、「フラットレンズ」+「文字盤多段立体」+「大きな直径の時計」ということで、「高さが高くなる」要素が揃っているのです。

ちょっと説明しますと、「直径の大きな時計は、強度を確保するため、ある程度、文字盤の厚みを厚くしなければならず」、「立体にするためにはある程度文字盤の厚みを厚くしなければならず」・・・というように文字盤自体を高くする必要があると共に、「文字盤の印象に深みを出す」ために本体と文字盤の間をある程度開けなくてはならない・・・というような理由もあって、時計本体の「高さ」が「足りない」という問題にぶち当たることになります。

もちろん、単純に「時計の厚さを増す=高さを高くする」ということをすれば解決します。
しかし、それでは、この「relick」のコンセプト通りの時計には見えなくなってしまいます。

そこでまずは、「あまり分厚く見えないけれども、実際にはある程度の厚みを確保する」ということで、「裏蓋」の設計にこだわりました。
裏蓋に時計本体に高さを出す役割を与えるとともに、裏蓋を円錐形にしたり、塗装を行ったりすることで、これを実現しました。

さらに、時計本体にほんの少し角度をつける等の工夫を行って、「時計を実際よりも薄く見せる」等々、様々な工夫をしました。

こうしてどうにか高さの問題をクリアしたのですが、relickは、その他にも、時計本体に数字や線がついていたりするので、各パーツごとに線の整合性をとったり、深さを決めたり・・・等々、その他のパーツについても色々と、ラフデザインの期間が長かったからか、やりたいことが詰め込まれていて、一見、シンプルなカタチなのに、やたら大変だったのを覚えています。

Parts Making :時計のパーツ・部品の制作

relick_watchs

くるき亭の時計は、ハンドメイド感ということを切り口にすると、「市販の時計のような感じ=普通の時計に似ている=ハンドメイドかあまり分からない感じ」である時計と「ハンドメイド感あふれる」時計のどちらもあります(その中間もあります)。

「普通の時計に似ている」方の時計は、完成度を高めていく必要がありますし、そうでない時計の方は「いい感じのハンドメイド感」を出したいなと思っています。
そうしたところでも、お客さんが「デザインの意図」を感じて頂けるように、時計ごとに、あるいは、1本の時計の中で、ハンドメイド感のメリハリもつけていく、ということになります。

その中で、この「relick」という時計は、もう完全に、「普通の時計に似ている」方の時計で、しかもフォントの印象や線の引き方などから、完成度を高めなくてはいけない方の時計です。

パーツ製作の段階では、ハンドメイド感はあまり出さないように、意図しない崩れがないように、時計本体や文字盤などを詳細に設計して完成度を高め、パーツの仕上げ部分の磨き加工の部分を念入りに行うなどをし、一目見て、キリッとした印象になるように努力しました。
そして、その後のカラー付け等で、少しレトロに見えるようにしていく・・・ということにしました。

時計本体のカラーですが、「レッドブロンズ」という色を選びました。
時々、「新しい色はないかな?」と、集中的にいろいろな色を試していくのですが、その中で、この「レッドブロンズ」という色ができた時に、この「relick」という時計がパッと浮かび、「これであの時計が作れるな」と決めたと思います。
色付けをしてみたら、すごくピッタリで、色の微調整もしなかったと思います。

ということで、最初のイメージにピッタリ出来上がった「relick:レッドブロンズ」のパーツを作ったのですが、「一応、他の色のrelickを作ってみよう」と、実験的に作った他のカラーも「いいね、どうしよう・・・」となって、「教授にも色々いるよね」という話になり、他のカラーの時計の開発も始まりました。

メタルブラック、マットシルバー、それぞれ、一応、教授の部屋のイメージを決めて、色付けをしていきました。
マットシルバーは、少し近代的な部屋にいる幅広い年代に対応するいわゆる教授っぽい感じに、メタルブラックは若くて行動力のある先鋭的な教授・・・というようなイメージでした。

Assembling :時計の組み立て

絵がそのまま現実化したような会心の出来でした

relick_assemble

とにかく文字盤の出来を見た瞬間に、「これこれ!」という感じでした。

ただ、意外と、そういう場合、組み立てていく内に、段々と「あれ?なんか違うぞ・・・」となることもあるのですが、relickは本当に「最初に思い描いていたデザインがそのまま現実化した」という感じを受けました。

組み立てていく内に、段々と「絵がモノになっていく」という感じです。

Release :発売

名前は旧表記の「relick」に

relick_release

さて、発売にあたって、名前を考えたのですが、遺物という単語であるrelicの旧表記であるrelickという表記にしました。
relicでもいいかなとも思ったのですが、ちょっと現代過ぎるという感じがして、最初のコンセプトである「冒険する教授」というコンセプトと、ちょっとレトロな感じの時計のデザインとで、旧表記の方がいいなと思ったためです。

こうして発売となったのですが、最初に思い描いた理想のrelickである「relick:レッドブロンズ」よりも、他の色の方が売れる・・・ということがあったりして、多少落ち込むというようなこともありました。

そんなこともありましたが、このrelickはつけるとカッコイイですし、その後、色々な時計が出ていますが、今でも、「relickが一番好き」というスタッフもいます。

私たちのお気に入りの作品の一つとなりました。

Special version :特別仕様バージョンの制作

特別バージョンの制作は意外なご意見から

relick_specialversion

「relick」は「会心の出来」という感じだったので、あまりリニューアルは考えていませんでした。
技術的にも、まだ他の時計と比べて劣っているところも無いので、しばらくはこのまま・・・と考えていました。

そんな時に、くるき亭がお世話になっている会社の社長兼オーナーさんがご来店になり、「relickが欲しい」とオーダーされました。

「さすが、お分かりですね」なんて思いながら、受付し始めたのですが、その時、一言、そのオーナーさんは、「でも、この文字盤の白の部分を周りと同じ色にして」とおっしゃいました。

確かに、昔のレベルのくるき亭では、こういったことがすぐに出来たのですが、段々と色々と出来ることが増えてきて、時計のレベルが上がってきた一方、こういった変更は難しくなってきてしまいました。
このrelickの文字盤の「一部の色を塗る」というだけでも、おそらく、数十万円くらい掛かってしまうので、「すみません、出来ないんですよ」とお伝えし、「じゃあ、このままでいいや」となりました。

しかし、ちょうど、そんな時に、「メタルブラックが全部この色だったら良かったのに・・・」「この白い部分が無かったらな・・・」というような同じ意見が上がってきました。

(いやいや、ここの部分が素敵だし、こだわりなのです・・・)と思いましたが、「もしかして、そこが嫌な方がいるのでは?」と思い、「じゃあ、そういう特別なバージョンを作ってみようか」ということになりました。先程のオーナーさんにも、「作るので、ちょっと待っていてくださいね」と伝え、制作に入りました。

一応、線の色などを変えたり等、「単純に塗る」ということはせずに、デザインし直しました。
こういったことが意外と難しくて、「単純に塗る」ことをしても、「単純に塗ったように見えない」というようなことは多々あります。
また、間違いを起こす元でもあるのですが、「ほんのちょっと変えてみたり」して、制作を行いました。

できあがって、発表したところ、この「特別仕様バージョン」の2本は健闘を見せ、通常バージョンにせまる勢いを見せました。
嬉しいやら、悲しいやら、なんというか、その外見のシンプルさとは異なり、色々な意味で心を動かされた時計だなという思い出です。

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