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「懐中時計 月影」

「懐中時計 月影」シリーズ

「月影からのぞく太陽」、つまり、「日蝕」をテーマにしたデザインの懐中時計。
現代ではあまり使われない「懐中時計」というカタチですが、TVドラマの主役の時計としても使われて、雑誌などにも掲載され、常に一定の人気を誇っています。
「腕時計として着けられないか?」という要望が多く、「腕時計アタッチメント」用にリニューアルを行うなど、デザインは大きく変わらないものの、発売から何度もリニューアルし、今にいたります。

Planning :この時計の着想・企画・構想

日蝕テーマから、いつしか

tsukikage_plan

この「デザイン帳」を書くにあたって、昔の資料を色々と読み返してみたのですが、この「懐中時計 月影」は、最初、「日蝕」をテーマにしていたことを思い出しました。

皆さんといいますか、デザインした自分たちもいつしか「月影」は「月」がテーマと長年思い込んでしまっていたのですが、実は「太陽」がテーマで、「三日月の部分日蝕で隠れている太陽」だったのを思い出しました。
はじめて「懐中時計 月影」が登場したのは、もうずっと昔のことで、歴史のある時計なので、すっかり忘れていました。

そういえば、この月影ができたとき、その場にいたスタッフや手作り時計教室の生徒さんにテーマを説明しながら、副テーマの「昔の海賊が海に落とした時計みたいでしょ?」という説明をしたら、その方がピンときていて、「日蝕なんて、あまり誰も思い入れがないし、副テーマの海賊テーマの方が分かりやすいかもね」というような話になって、それで発表し、それがずっと続いた結果、そもそもの初期の主設定を忘れていました。

今(今の月影)となってみれば、「日蝕」の方がピッタリ来ると思ったので、商品文を変更しました。
今度からは最初の主設定で行きたいと思います。

未熟であるがゆえにチャレンジができた時計

tsukikage_challenge

さて、この時計の原型は、まだ、くるき亭がはじまる前の活動期だったと思いますが、何かで文字盤が隠れている時計というのは作ったことがあって、「文字盤が見えないのに、どうなんだろう?」と思っていたのですが、意外と反応が良かったのを覚えていました。恐る恐る作っては「あれっ、大丈夫?」というような感じで、何度か制作していました。

「懐中時計 月影」という時計を最初に考えた時に、日蝕がテーマなので「文字盤が隠れてしまうな・・・」と思い、迷ったのですが、その時のことを思い出し、「やってみようか」と思ったのを覚えています。

その当時は、まだまだ未熟でしたが、未熟だと制作コストが安いという点もありました。
ですので、「まあ、隠れてしまって、全く受け入れられなかったら、他の作ればいいや」というような感じでスタートしたような気がします。

「よし、このカタチの、このコンセプトの時計を作るぞ」と意気込んで、その結果、「ロングセラーになった」という時計もある一方、そうではなくて、「このカタチで次に何か作ろうかな」という流れの中で突然「そのコンセプトの完成形」というか「長年作り続ける時計」が生まれるということもあります。
月影はどちらかというと後者でした。

Rough design :時計のラフデザイン

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「腕時計」と違って「懐中時計」は「腕につける」という制約がないので、腕時計より、自由にデザインができます。

その為、「月影」をデザインした時も、その前の同コンセプトの腕時計よりも、本体のフォルムや重厚さなどを大きく変えて、「腕時計ではできないような」デザインにしようと思ったような気がします。これが後に腕時計アタッチメント化で苦労する原因になります・・・。

「月影」のテーマですが、「これは日蝕をテーマにしています」と「あからさまに分かる」というのは嫌だったので、少し曖昧な感じにしました。
「三日月の影に隠れた太陽」も、「名前が月影だから・・・」とか「言われてみれば・・・」というようにしました。

また、月や太陽がテーマだと、文字盤は「太陽と月」が描かれていたりするのですが、この時はそういうのは嫌だったので、副テーマの「古の海賊が遺していた」というところで、「ローマ数字」の文字盤にしました。

そんな感じで、ラフデザインを仕上げていきました。

Design :時計のデザイン・設計

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ラフデザイン後の細部のデザインですが、月影のような自由度の高いデザインをする場合、ここで苦労することが多いです。
どうしても、絵でササッと描いてしまう部分があって、そうすると、その部分はもう一度、考え直さなくてはいけないのです。
「やっぱり、絵と実物の制作は全く違うんだよな」と思い知らされる場面です。

時々、デザイン画をお持ちになって「こういった時計を作れませんか?」という方や、「ゲームや漫画などの時計を作って欲しい」という方がいるのですが、そういった「絵の時計」は曖昧なところが多くて、結局、デザインし直さないと作れないことがほとんどです。
また、そういう曖昧なところや細部が時計の印象を作っているところがあるので、きっちりとデザインをすると、「絵の時計とは別物」になってしまいます。
こういったことが私たちがフルオーダーメイドを中止した理由のひとつでもあります。

月を各所に配置したデザイン

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さて、月影ですが、各部については、以下の通りです。

時計本体:
三日月による部分日食というモチーフで、実はたくさん三日月が隠れています。
正面から見た時の三日月は分かりやすいと思いますが、側面にも三日月、リューズ周りも三日月になっています。
反対側の革紐を通しているところは、実は「太陽のフレア」をイメージしています。炎がモワッと上がっている感じです。

正面の三日月ですが、やっぱり、この部分は地味な苦労をたくさんしました。
まず、「どのくらい文字盤を隠すか?」を何度も実験して試行錯誤しました。
次に、「レンズとの関係」もあり、レンズのカーブと本体のカーブを合わせるのに苦労したのを覚えています。

文字盤:
上述の通り、「太陽と月」がテーマだから、「太陽と月の文字盤」というのが、この時は嫌だったので、副テーマの「古の海賊」にそって、「ローマ数字」+「立体」にしました。
沈んだ船に懐中時計が遺されていたら、ローマ数のこういう文字盤の時計がありそうだな・・・ということで軽い気持ちでデザインしたのですが、素敵に仕上がりました。

時計の針:
黒色で、クラシックなデザインの針にしました。

革紐:
なるべくザンギリのような革紐にしたかったので、こういったデザインにしました。
しかし、巻き方に苦労しました。
「かっこよさ」と「強度」がなかなか両立せずに、「かっこいいとすぐに解ける」「解けないとかっこ悪い」という繰り返しの中、今の形を実現しました。

裏蓋:
今の裏蓋は最初の裏蓋とは異なっていて、腕時計アタッチメントがつくカタチになっていますが、これが大変でした。
リニューアルの場合、「デザインは変えない」ということが前提になっていることが多いため、この時は「裏蓋だけをリニューアルする」ということになっていました。
しかし、スペースの関係でネジ穴は3つしか開けられないし、厚みはギリギリしか取れないし・・・ということで、解決に時間がかかりました。
最初は不可能かと思いました(実際は不可能と判断した時もあった)が、解決ができて、自信になった裏蓋です。

Parts Making :時計のパーツ・部品の制作

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デザインをしたら、それを元にパーツを作っていくのですが、その頃はまだまだ未熟で、「やっと作れた」という感じだったと思います。

文字盤の立体仕上げもその当時は「やっと」で、大変苦労して仕上げたと思います。
時計本体も、その当時では「大きなチャレンジ」だったと思います。
もうあんまり覚えていないのですが、段々と色々できるようになって、その度に「月影」も立派になっていきました。

時計のカラーも最初はアンティークだけでした。
「月影」は歴史が長いので、その時々のカラーリング手法により、様々なカラーが生まれては消えていきました。

今の裏蓋にリニューアルした時には、だいぶ色々とできるようになってきた頃なのですが、それでも「そもそも腕時計ではしづらいデザインにした」ということから、かなり難題で、何度かは諦めかけました。

月影のような歴史の長い時計の資料を見返すと、「色々とやったんだな・・・」と、その試行錯誤の時の記憶が蘇り、懐かしくなります。

Assembling :時計の組み立て

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時計を組み立てた時は、「懐中時計だった」ということもあったのかもしれませんが、「いい時計ができた」と思ったものの、同じくらい会心の出来の時計を確か一緒に作った記憶があり、どちらかというと、そちらの時計の方の期待が大きくて、月影の方は、あまり気にしていなかったような気がします。

お店にも「あっ、これも出しておいて」というような感じだったと思いますが、その時にちょうどお店にいたスタッフや教室の生徒さんの反応が非常に良くて、ビックリしたのを覚えています。

その時の会話から、上述の通り、副テーマにての売り出しが決まり、長い月影の歴史がはじまりました。

Release :発売〜今まで

期待しなかった懐中時計型でしたが・・・

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かっこいいけれども、「懐中時計」ということで、あまり期待はしていなかったのですが、意外と現代にも活躍の場があるらしく、発売からすぐに人気になりました。

ご自分用に、プレゼントに、と、その人気に月影は鍛えられていき、何度かリニューアルしていくことになります。

そして、最初はアンティークだけだったカラーのバリエーションも増えていきました。

Tvドラマでも使われました

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ドラマでも主役の方の時計として使われることになり、そのドラマで月影を見て、「ああ、こういう着け方もあるんだ」と感心したのも覚えています。
その後、できることが増える度に、月影はあまり大きくカタチは変えずにリニューアルを繰り返していきます。

腕時計アタッチメントで、腕時計に

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さて、発売後すぐに、そして、その後もずっと「どうしても腕時計としてつけたい」「懐中時計、腕時計、どっちでもつけられるようにして欲しい」というような声を頂いていました。

そもそも「腕時計ではやりづらいデザイン」として作っていたので、腕時計としてつけられるように変更すると、時計本体が巨大になってしまったり・・・と色々とハードルがあったので、なかなか実現はできませんでした。

いっそのこと、別に「腕時計 月影」を作ろうか?というような話もしていたのですが、そういう時はだいたい失敗するので、腕時計がつけられるようになったとしても「懐中時計 月影のまま行こう」ということになりました。

その後、時代が下り、ある程度、「これでいけるのでは?」というやり方が可能になり、「腕時計アタッチメント」用の改造に取り掛かりましたが、上の「裏蓋」の項目で述べた通り、それでも、なかなか苦労をしました。

何とか実現にこぎつけ、腕時計アタッチメントと、腕時計がつけられるように改造した月影を制作し、その後も時々リニューアルしたりして、今に至ります。

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